音の記憶の最古

みなさんは、一番古い音の記憶をタンスから引っ張り出せるだろうか。音、とくにそれを規則性を持ってならべた「音楽」と時間はよく結びつきやすい。私は『君の名は。』が上映された際、浪人まっさかりで、今でも前前前世を聞くとその時を思い出して、気持ちがあせる。

他にも、「笑顔を忘れてしまった君に」を聞くと、公民館の照明の熱さと指揮者としての緊張を思い出せるし、じいちゃんと毎回行ったホームセンターダイキの店内音楽、何回もくじ引きをしに行ったコトブキシティのBGM、初めて市内へ行って、迷いながらも好きな人のライブを見に行ったときの「I wanna see you」など、記憶と音はかなりセットになっているし、その音楽を聞くとその頃にジャンプしたような気にもなれる。

そして、どんどん現在から記憶を遡っていくとあるところでストップするはずで、私の場合は、アクアスかどこかへ家族で行った帰りの車の中に流れる「亜麻色の髪の乙女」だった。

音を記憶しようと努力した段階が、はっきりとわかる。これより昔にも音は耳の鼓膜を揺らしていたのは間違いないが、記憶からはとれていて、映像だけ残っている感覚である。

タイトルをその時知っていることは珍しいかもしれないので、歌詞のあるものであれば一部の歌詞を覚えているかもしれない。現在ではそんな一部の歌詞でも、検索してみるとタイトルがわかってしまう時代である。そしてYouTubeで聞くと、その4分か3分かは過去にジャンプできるかもしれない。