角度が90°の正三角形

紙とペンがあったら、二次元平面に三角形が描ける。直角三角形は一つの角度が90°で、その他は90°より小さくなる。さらに、その二つの角度を足すと90°になり、三角形の内角の和は180°になる。

内角の和が180°なのは、任意の三角形の性質であり、すべての角度が等しい正三角形は、180÷3で、一つの角度が60°になる。

しかし、なんとびっくりタイトルにあるように一つの角度が90°であるような正三角形がある。東海オンエアの企画のように、でかい三角形を地球規模で描くことを考えよう。

まず、北極点から赤道と垂直になるような線を描く、その線とまた垂直な線を北極点から赤道のもう一点まで繋ぐと、でっかい三角形ができる。

しかも、すべての角度が90°であるような正三角形ができた。面積は地球の表面積の1/8で企画ならほぼ勝ち確である。

紙と地球で違うのは、地球は丸いことがある。紙という空間は平坦で、曲がっていない。曲がった空間で直線を引くとなると、無理矢理平面でみたときはその直線は曲線にみえる。

飛行機の最短経路が、地図上で北半球では、北に、南半球では南に弧を描くのはこのためで、曲がった地球の空間の中で、いっぱつ直線を引いているためだ。

逆に、すべての角度が60°より小さくなる正三角形を描くこともできる。こんな世界では空間がどう曲がっているのか想像するのは面白い。

時間は遅れて、空間は縮む

私たちの日常の速度では、時間はみな平等に過去から今、未来の方向へ、一次元的に流れ続けているように感じる。空間も変わらずそこにあって、上下左右に三次元に手を伸ばすことができる。今回は、速度が光の速さに近づいた時の、空間や時間の面白い性質を紹介する。

そもそも速度とは、速度を持っているものからみて静止しているものとの差で測る。自分たちが走るとき、地面は止まって感じるので、地面を0として速度が測られる。

次に少し行儀が悪いが、電車の中で走ることを考えよう。電車の中の人は、電車が等速で走っているなら、たとえば30km/hとするとその速度のまま進んでいるなら、電車の中の人からすると電車が速度0に感じるので、5km/hで走るなら、自分は5km/hで走っていると感じる。そとにいる人から見ると話が変わる。この人にとっては地面が静止しており、地面に対して30km/hで電車が走るので、中の人の速度は5km/hに電車の速度が足された35km/hに見える。速度の足し算ができる。

めちゃんこ速いで有名なのは光だ。1秒間で地球を7周半することができる。光は波の性質をもっている。波と言えば、海の波を思い浮かべる。波の速度は、それを伝える媒質、つまりは海の水を速度0の基準にとっている。音であれば、空気が基準になる。私達は太陽の光や星の光が見えるので、これらの光は宇宙空間を飛んできているが、なにが振動していて、その速度はなにを基準にしているのか。

振動しているのは電場と磁場なのだけれど、それは媒質とは言えない。光に媒質はいらないというのが物理学が行き着いた答えで、さらに媒質がないとなると速度の基準がわからない。

ここでアインシュタイン発想の転換「誰から見ても光の速度は一緒」というものが出てくる。電車の中のような動いている人からみても、地面にいる人からみても光の速度は同じになる。

そうなるためには、どうなるべきかとなると、空間が縮み、時間が遅れるなんてことが必要になってくる。

簡単になぜそうなるかを考える。

光が普通の物質であれば、電車の中から見て光速なら、外の人からは光速+電車の速さになるはずであるが、光の速度は誰から見ても同じにならなければならないので、この+電車分が帳消しにされる必要がある。

速さは距離÷時間なので、速さが小さくみえるには、距離を小さく縮めるか、時間の進みが大きく、つまり遅れればいいのがわかるだろう。

誰にとって空間が縮み、時間が遅れているのかは注意しなければならない。光の速さが速くみえるかもしれないと思っていたのは、電車の外の人の話なので、電車の外の人からみて、電車の中の人の空間が縮み、時間が遅れる。

電車の中の人は、自分の時計が遅れているとか、空間が縮んでいるとかはわからない。

電車の中の人は、電車が静止していて、外の人が電車の速度とは、反対の方向に速度を持っているように見える。なので、電車から見ている人から見て、電車の外にいる人の時間が遅れ、空間が縮んでいるように見える。つまり、時間と空間も相対的なものになっている。

ニャオハ立つなを考える

人気作には、人気であるがゆえの否定がつきもので、しっかりポケモン老人になった私も、うわぁ楽しみだぁとなったのはダイパとアルセウスくらいだ。

さて、ポケモンでは最初にポケモンを炎、水、草の3種類から選ぶことができ、俗にこの三体を御三家と呼ぶ。

今作ではこの草タイプの猫っぽいポケモン「ニャオハ」が立つか立たないかで大いに盛り上がっていた。しょうもないことで歪み合えるのは幸せだといえる。

なぜこんなことが起こるのか少し考えてみた。立つなのハッシュタグが見られたため、立たないでほしい意見が目立つ。なぜ立たないでほしいのか。

ポケモンに魅力を感じるかどうか、御三家は先に情報が出されるために、宣伝の顔といえよう。

立つなということは、二足歩行になるなと捉えられる。前回のソードシールドでは、御三家の最終進化はすべて二足歩行だった。ゲッコウガを二足歩行と捉えるなら、XY世代も全て二足歩行といえる。がしかし、二足歩行というならば、ジュカインバシャーモエンペルトも立っている。炎タイプなんて全て立って描かれる。

違和感はなんだろうか?

二足歩行する動物の代表といえば、私たち人間がいる。なので、人間っぽさに注目しよう。ソードシールドの御三家なんてほぼ人である。インテレオンになったときのガッカリさったらない。モンスターっぽさから少し離れてしまうのが違和感なのか。これはネタバレになるが

 

今作では、ワニ以外立っている。そして非常に人間っぽい。自分の中で人間っぽさが魅力を削ぐ要因になっていることはわかった。

ニャオハだけ言われるのは可愛いがためなのかわからないが、全てのポケモンにおいて、人間っぽいのはミゥウツーくらいで十分だと感じた。

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画像:ポケモンまとめふぁんから

月と海の満ち引き

子供の頃はよく草津港へ、ハゼ釣りをしに連れて行ってもらっていた。高校までは行っており、釣った瞬間にハゼの喉を潰し、いきのいい状態を作る友の真顔をいつまでも忘れないだろう。

釣りをしていると海の時間変化がよくわかる。海面が時間によって上昇し満潮になり、また下がって干潮になる。干潮のときは、蟹や貝を捕まえて時間を潰す。このとき岩場に生えた牡蠣やフジツボの鋭いこと鋭いこと、何回怪我をしたかわからない。

この海の変動はなにからくるのだろうか?

昔祖父が、月に引っ張られていると言っていて、子供ながら「なわけあるかい」と疑っていたが、本当だった。

重力の本質は、引力ではなく潮汐力だと学んだのは大学に入ってからで、なかなか疑問を解決するまで長くかかったものだ。

ここで潮汐力とは、ゴムボールを横に引き伸ばしたときの作用に似ている。左右に引き伸ばされ、引き伸ばしていない上と下の面は、少し中心に寄るだろう。

このゴムボールを地球だと思うと、月の方向には引き伸ばされ、それと垂直な方向は押しつぶされる形になる。

地球の地殻は固体なので変化がよくわからないが、表面の海は液体であり、変化が見えやすい。つまり、月がある面とその反対側では、海が引き伸ばされ、満潮になり、それと垂直な押しつぶされる方向では干潮になるのだ。

 

子供の頃の自分よ、本当だったぞ

月食の月はなぜ赤い?

少し前に映画をみた「空の青さを知る人よ」という作品で面白く、今回のタイトルはそちらと迷ったが、記憶に近いものの方が良いと思い、月食にした。

月食とは、地球の影に入る現象である。影に入るが、真っ黒になるのではなく赤かった。

地球で、他に赤い現象は夕日がある。タイトルを迷ったのは、空の色が月食の色と関係があるからである。

まず、月自体は光っていない。太陽の光が反射することによって光って見える。太陽はお絵描きでは赤や黄色だが、それは紙が白いからしゃあなしで色をつけているだけで、太陽は白い。

この白色光とは、すべての色の光を重ねた時にできる。光の三原色を混ぜると白になる実験を小学校でしたかもしれない。ちなみに色の三原色を混ぜると黒になる。

光の色はなにで決まっているかというと、光は電磁波であり、波の性質をもつので、それぞれ波長をもつが、この波長の長さによって見える色が変わる。赤が可視光のなかでは1番波長が長く、紫が最も短い。

太陽からは白色の光が飛んできて、地球の大気とぶつかる。波長の短い光ほど粒子に散乱されやすい性質を持っており、紫や青などがよく散乱される。昼間が青空なのはこのせいで、夕方が赤いのは太陽の光が大気の中を長い距離進み、短い波長成分は散乱されまくり、赤やオレンジ色が残ることで赤くなる。

そして、月食とは地球を挟んで裏側に太陽があるので大気をしっかり通過した光が月に反射して光るために赤くなるのだ。

月や太陽はなぜ丸いの?

月の疑問として出てくるのは、数ある形の中でなんで丸いのかである。月だけでなく太陽も丸い。直接見るのは大変で、フラットアーサー達には悪いが、自分達が立っている地球もまた丸い。

この丸だというには、遠くから見る必要があるのはいうまでもない。私たちが窓の外に目を向ければ、山があり、川が流れ、デコボコしているからだ。月にもクレーターがあるが、地球から見ると遠いのでまんまるお月様にみえる。

また、遠いことによる効果はもう一つあって、本当は丸ではなく球体である。この球体である理由が存在するのだ。

それは、ニュートン万有引力の法則である。この法則は「万有引力は、物体間の距離の2乗に反比例する」というものだ。比例するわけでも、1乗、3乗に反比例するのではなく、2乗に反比例する。

球の表面積は、距離の2乗に比例することが理由である。つまり距離が同じなら同じ大きさの力が与えられることになるため、凸である山は平され、川の凹みはいつかは埋められることになる。

また、万有引力、重力がある程度強くないと丸くならない。重力の小さな小惑星はデコボコしている。

逆に私が研究している中性子星は、ブラックホールには負けるとしても、重力があほほど大きいので、綺麗な球をしている。なんと1mmくらい周りより高い場所があれば「山」というのだ。

月は落ちてこないの?

9月10日に美しい満月が見られ、日本でもいつもより多くの人が空を見上げた夜になったのではないだろうか。

美しいと思うのはもちろんだが、疑問もまた生まれたかもしれない。

まず初めに、なんであんな大きな丸が落ちてこないのか疑問に感じる。どんなものでも手を離せば地面に向かって落ちて行く。なににも支えられていない月がなんで地面に落ちないのだろうか。

見上げてる時間だけでは、静止しているように見える月も、何時間も経てば西から東の空へ動いているのが分かる。地球の自転で回っているように見えるとも言えるが、今回は我々は通常地球にいるので、地球が止まっているように感じ、月が動いていると見たほうがわかりいい。

つまり「円運動」している。簡単のために円運動の速さが変わらない等速円運動を仮定しよう。円の接線方向の速さは変化しないのが等速円運動である。速度の大きさは変わらないけれど、速度の方向は変わらないと円運動できないのが分かる。方向が変わるということは、加速度が生じているということになる。加速度の向きは、月から地球に向かう方向、つまり回転の中心に向かった方向を向いている。

この加速度を生み出しているのは、地球の重力だ。月が地球の接線方向に向かって速度をもつのを重力が時々刻々と地球側に引っ張っているので方向が変わり円運動する。だから落ちてこない。

よくある遠心力と重力の釣り合いという説明は、ぱっと聞く分にはわかりやすいが「月にいる人からすると正しい」という難しさがある。

遠心力はみかけの力で、加速度系という観測者自身が加速している時に感じる力で、地球から見ての疑問に適応できない。