3の倍数の審判 

暖かい空気の中に、花粉が子孫を残さんと暴れまわる季節となった。ところで、数字をパッと見て3の倍数であるかどうか、知りたいと思うことはあるだろうか。言ってしまえばほとんどないが、世界のナベアツが3桁、4桁と増えても正しく3の倍数でバカにならないといけないときや、素数かどうかを判断する際に、2で割れるかどうか確認し、割れない際に次に試してみるのが3であるだろうから、その際に強く3の倍数の判断を瞬時にしたくなることはあるだろう。

このときに、有用な定理がある。「ある数 x(ここでは自然数)の位の数を足した結果が3の倍数であれば、 xは3の倍数である。」

簡単のためにxが3桁のときを証明してみよう、

ある数 xは、1~9までの数字 a,b,cを用いて

x=100a+10b+c \tag{1} 

とかける。

定理の条件の部分、「ある数 x(ここでは自然数)の位の数を足した結果が3の倍数」は証明の際使ってよい武器なので、これを数式で書くと、A自然数として、

a+b+c=3A
c=の形に変形すると、
c=3A-(a+b)
このcを(1)式に代入すると、
x=100a+10b+3A-(a+b)
=99a+9b+3A
=3(33a+3b+A)
ここでB=33a+3b+Aとすると、
x=3B
となる。よってxは3の倍数である。二桁でも四桁でも同様に証明できる。
 
早速使って、具体的に見てみよう。2022は明らかに偶数であるが3の倍数だろうか。全桁を足すと
2+0+2+2=6
で3の倍数であるから、2022は定理によって3の倍数である。割り算してみると2022=3 \cdot 674である。
スカイツリーの634は3の倍数ではないなど瞬時にわかるようになる。実際足してみて3の倍数でないことを確認してみてほしい。ぜひ、友達、家族へ披露して、隠れた3を炙り出してやろう。